性感染症(STD)はきちんと検査治療を受ければ直せる病気です。
進行させて重い症状で悩まないためにも専門医に早めの相談をしましょう。
【男性編】痛み・かゆみ・できもの・ブツブツもしかすると性感染症(STD)かも
細菌によって引き起こされる性感染症の一つです。初期の症状として、陰茎や包皮にしこりができることがあります。
また、性器の表面に痛みを伴わない潰瘍が現れることも。
進行すると全身に痒みや痛みを伴わない赤い発疹が現れることがあります。
梅毒の検査は、血液検査を通じて抗体の有無を調査します。
ただし、感染直後では正確な結果が得られないことがあるため、感染の疑いがある場合は、その時点から約1ヵ月後に検査を受けることが推奨されます。
これは、抗体が血液中に検出されるようになるのが約1ヵ月後だからです。
一方で、梅毒の症状自体は感染してからおおよそ3週間後に現れることが一般的です。
淋病は細菌による性感染症で、尿道から膿が出ることが特徴的です。
また、尿道のかゆみや不快感、排尿時の痛みを感じることがあります。
- 尿道から膿が出る
- 尿道のかゆみ・不快感
- 排尿時痛
淋病の検査は、尿検査を主に使用します。
特に咽頭淋菌の疑いがある場合、喉からの検体採取やうがい液の検査が行われます。
性器に症状が現れている場合は尿検査が、咽頭に症状がある場合はうがい検査が選択されます。
男性が淋病に感染すると、2~9日の潜伏期間を経て、通常は膿性の分泌物が出るとともに、排尿時の疼痛が生じることが多いです。
しかし、近年の報告によれば、男性でも症状が典型的でない場合が増えており、粘液状の分泌物が出ることや、無症状で経過するケースもあるとされています。
クラミジアは細菌による性感染症で、尿道のかゆみや不快感、尿道からの膿の排出、排尿時の痛みが主な症状です。
クラミジアの検査は、感染部位や性別によって異なる方法が採用されます。
女性の場合、膣からの分泌物を採取し、PCR検査で細胞の遺伝子配列(RNA)を調査します。
この検査は非常に精度が高く、感染後に症状が出現する前でも診断が可能です。
また、咽頭の感染も多く見られるため、うがい液を用いたPCR検査での咽頭検査も行われます。
男性の場合、尿道からの感染が主であるため、尿検査での確認が行われます。
さらに、男性の尿道の症状に関しては尿検査、肛門の場合は綿棒でのぬぐい検査、喉の症状に関してはうがい液や綿棒でのぬぐい検査が行われます。
クラミジアの潜伏期間は1~3週間とされています。
また、性器への直接の接触がなくても、相手が咽頭にクラミジアを保菌している場合、キスだけで感染するリスクがあります。
HIVはウイルスによる感染症で、免疫細胞を破壊し、体の免疫機能を低下させます。
初期症状としては、排尿時の痛み、頭痛、筋肉痛、体のだるさ、下痢、急な体重減少などが挙げられます。
- 排尿時痛
- 頭痛
- 筋肉痛
- 体のだるさ
- しつこい下痢
- 急な体重減少
HIVの検査は、主に血液検査を用いて行われます。
この検査では、HIV抗体の有無を確認します。
感染してから2~8週の間にHIV抗体が血液中に形成されるため、感染の可能性があると思われる行為から3か月以上が経過した時点での検査が推奨されています。
具体的には、5ml(約小さじ一杯分)の血液を採取し、その血液を分析します。
HIVに感染していると判断される場合、それは血液中にHIV抗体が存在していることを示し、「陽性(プラス)」という結果が出力されます。
一方、感染していない場合はHIV抗体が検出されないため、「陰性(マイナス)」という結果が得られます。
また、リスクのある行為から3ヶ月(90日)以上が経過した時点でのHIV(抗原)抗体検査の結果が陰性であれば、その結果は陰性と確定されます。
トリコモナスは原虫による感染症で、主な症状は排尿時の痛みです。
- 排尿の時の痛み
トリコモナスの検査は、感染の有無を確認するために行われます。
女性の場合、おりものを採取して培養し、その結果により診断が下されます。
一方、男性の場合は尿を採取し、それを培養して診断します。
ただし、男性の尿検査ではトリコモナスが必ずしも検出されるわけではありません。
そのため、もしパートナーがトリコモナスに感染している場合、男性は特定の検査を受けることなく、直接内服治療を受けることが一般的です。
治療には、メトロニダゾール(フラジール)という薬が用いられ、1日2回、10日間の服用が推奨されます。
治療の効果は、症状の消失と、月経時の検査によって判定されます。トリコモナスは自然に治癒することはありません。
特に放置すると、子宮頸管に炎症を引き起こす可能性があり、これが不妊症の原因となることも考えられます。
また、トリコモナス感染は無症状であることも多く、特に男性の場合、腟炎や尿道炎を引き起こすこともあります。
ヘルペスはウイルスによる感染症で、亀頭の腫れやかゆみ、イボ、性器のヒリヒリ感やむずがゆさが特徴的です。
- 亀頭の腫れ・かゆみ
- 亀頭のイボ
- 性器のヒリヒリ感・むずがゆさ
ヘルペスの検査は、感染の有無やウイルスの種類を特定するために行われます。
病変部分をこすり取り、専用キットを使用して細胞の確認を行います。
この方法では、およそ15分で結果を得ることができます。
また、病変部の細胞内にウイルス感染が存在するかどうかを確認するために、細胞診を用いてヘルペスウイルスを調査することもあります。
血液検査を行っても、症状が単純ヘルペスであるかの特定は難しいです。
しかし、放置していると1週間程度で病変部はかさぶたになり自然に治癒します。
それでも、ウイルスの増殖を抑制するための薬を服用することで、症状の軽減や早期回復が期待できます。
患部からの浸出液を綿棒で採取し、それを調査する方法も一般的です。
ヘルペスの検査法としては、ウイルス分離法、ウイルス抗原検出法、ウイルス核酸検出法などが存在し、それぞれの方法でウイルスの特定や感染の確認が行われます。
尖圭コンジローマはウイルスによる感染症で、カリフラワー状のイボや陰茎、亀頭や包皮の内側のイボが現れることが特徴です。
- カリフラワー状のイボ
- 陰茎のイボ
- 亀頭や包皮の内側のイボ
尖圭コンジローマは、典型的なトサカ状やカリフラワー状のイボが形成されることが特徴的です。
このような明瞭なイボが出現している場合、肉眼での観察だけで診断が可能となります。
しかし、すべてのケースでイボが明確に見えるわけではなく、診断が難しい場合もあります。
そのような状況下では、病変部の組織を採取し、病理学的に検査することで確定診断を行います。
尖圭コンジローマの存在を自分で気づくことも可能で、特に典型的なイボが形成されている場合はセルフチェックができます。
しかし、正確な診断や治療のためには、医療機関での受診が強く推奨されます。
検査方法としては、綿棒を使用して陰部や膣を擦り、検体を採取する方法があります。
また、問診を通じて症状や感染部位を確認し、視診でイボの有無を判断します。
患部からの検体採取によるウイルスの確認も行われることがありますが、多くの場合、視診の結果をもとに診断が下されます。
毛じらみは寄生虫による感染で、陰毛部分のかゆみが発症し、かゆみが増し後に患部に痕が残ることが症状として挙げられます。
- 陰毛部分のかゆみ
- かゆみが増す
- 患部に痕が残る
毛ジラミ症は、ケジラミを見つけることができれば、症状が出ていなくても検査可能です。
カンジダは真菌による感染症で、亀頭のかゆみや腫れ、水ぶくれ、尿道炎が主な症状です。
- 亀頭のかゆみ・腫れ
- 亀頭の水ぶくれ
- 尿道炎
カンジダの検査は、感染の疑いがある場合に行われるもので、おりものや尿、病変部分から採取した擦過物を調査することで確認されます。
具体的には、おりものの検査や尿検査を行うことが一般的です。
さらに、陰部に皮膚症状が現れた場合や、カンジダの検査を希望する際には、綿棒を使用して皮膚や病変部からの擦過物を採取します。
この採取した擦過物は培養検査にかけられ、カンジダの存在を確認します。
検査結果が判明するまでの期間は、おおよそ1週間ほどとなっています。
- A型肝炎…ウイルスによる肝炎で、黄疸や疲労感が症状として現れることがあります。
- 赤痢アメーバ症…原虫による感染症で、下痢や腹痛が主な症状です。
- フォアダイス…皮脂腺の肥大によるもので、性器周辺に小さな白い粒子が現れることがあります。
- 真珠様陰茎小丘疹…陰茎の表面に小さな突起が現れるもので、病気ではありません。
- 包皮腺…包皮の内側に存在する腺で、特に治療の必要はありません。